副業による雑収入がある場合の確定申告の進め方とは? ふるさと納税の控除額にも影響あり?
ふるさと納税の基本
ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄附をおこなうことで、負担額2,000円で控除上限額内の税金が控除され、さらには自治体からの返礼品を受け取ることができるという魅力的な制度です。
税金の控除を受けるためには、ワンストップ特例制度を利用するか確定申告が必要となります。
ワンストップ特例制度は、寄付時に申請することで簡単に税金の控除を申請できる制度ですが、個人事業主であったり給与以外の副収入が20万以上ある場合、また1年間に6自治体以上にふるさと納税をした場合などは対象外となり確定申告が必要となります。
ふるさと納税をおこなった場合には、その年の確定申告が必要かどうかを確実に把握しておきましょう。
ふるさと納税は収入に応じて限度額が決まる
ふるさと納税の控除上限額は、収入や家族構成によって変わってきます。
ふるさと納税をお得に活用するには、まずは限度額を知る必要がありますので、利用前に必ずシミュレーションで自分の限度額を理解しておきましょう。
簡単におおよその金額を知るには下記シミュレーションがおすすめです。
https://myfuru.jp/info/simulation/
なお、より具体的な金額を知りたい場合には源泉徴収票を用意の後、本格シミュレーションをご利用ください。
副業がある場合は限度額が変わる?
副業など本業以外の所得が年間20万円を超える場合には確定申告が必要となります。
所得とは収入から経費を差し引いた金額のことです。
ふるさと納税の限度額を計算する場合、年収の中に副業による収入を含めることになることから、その分ふるさと納税の限度額も上がります。
特に、複数の収入がある場合にはすべての収入を含めたうえで限度額の計算をしなければ正確な限度額を算出することができないので注意しましょう。
なお、副業による雑所得がある場合に、シミュレーターを利用して限度額を計算するのであれば、雑所得の項目の有無を確認しましょう。雑所得の入力ができないと、副業による収入を加味した限度額の計算ができません。
雑所得が20万以下の場合どうなる?
お伝えしており通り、副業による雑所得に関しては20万円以上の場合に確定申告が必要となります。したがって、20万円未満の場合には確定申告の義務はありません。
仮にふるさと納税の限度額を増やすために20万円以下でも確定申告をしようとする場合には、控除額と課税金額を比較しましょう。
確定申告を行うと20万円以下の雑所得にも所得税が発生します。
その金額と、アップした分の限度額を比較しどちらの方が自分にとって有益なのかを見極めたうえで必要に応じて確定申告をおこなうことが求められます。なお、確定申告はワンストップ特例制度に比べて、申請の手間もかかります。
金額だけでなく、総合的に判断する必要があるでしょう。
雑所得がある場合の注意点
次に雑所得がある人がふるさと納税をおこなう場合に気を付けるべきポイントをご紹介します。
1,税金が増えることがあり得る
先にお伝えしたとおり、20万円以上の場合は確定申告の義務がありそれに基づき申請を進めていくという方法のみとなりますが、20万円以下の場合には確定申告は必ず必要なものではありません。
確定申告をおこなうことで、逆に収める税金が増えるというケースもあり得ますので、雑所得が20万円以下の場合にはどうすべきか慎重に検討しましょう。
2,会社に副業ばれてしまうかも
会社に副業していることがばれてはまずいという場合には注意が必要です。
ふるさと納税により住民税が控除された場合に、会社経由で通知書が届くからです。それが会社に見られた場合に副業がばれてしまう可能性が出てきます。
確定申告に向けて準備が必要なもの
次に、確定申告を行う場合に必要な書類及び手続きの流れについてご紹介します。
⚫︎確定申告に必要なもの
1,寄附金受領証明書
※寄附金受領証明書を紛失した場合、再発行に時間を要したり再発行自体不可としている自治体もあります。大切に保管するようにしましょう。
2,対象期間の源泉徴収票
3,還付金受取用口座番号(本人名義のもの)
4,マイナンバーカードもしくは通知カードおよび本人確認書類
※マイナンバーカードは申請から取得まで1か月以上かかる場合があります。確定申告に使用する場合には、早目に手続きをおこないましょう。
⚫︎確定申告の流れ
1,上記必要書類を用意
2,確定申告書の作成
作成は、国税庁の確定申告特集ページにアクセスしておこないます。手書きもしくはWeb申請から選択が可能です。Webの場合には提出までのすべての工程をWeb上で済ませることができるため、非常に手軽で早く進められます。
3,確定申告書の提出
郵送、持参、電子申請(e-Tax)から提出方法を選択することができます。
4,所得税の還付・住民税の控除
所得税は、4~5月くらいに還付となり、住民税は6月から翌年5月までの分が控除対象となります。
もし確定申告を忘れていたら?
ふるさと納税の確定申告は、還付申告となり申告を忘れてしまった場合でも、その年の翌年1月1日から5年間さかのぼって申請することが可能です。期間に十分な猶予があるため、焦らずに忘れた年分の申告を改めておこないましょう。
還付申告となるため、期限を過ぎたことによるペナルティはありませんが、5年間を過ぎると還付が受けられなくなってしまいます。
おすすめの返礼品
ふるさと納税は、税金の控除が受けられるというほかに魅力的な返礼品がもらえるというのも大きな魅力となっています。
ここでは、おすすめの返礼品の選び方についてご紹介していきましょう。
1,還元率で選ぶ
還元率とは、寄付した金額に対応する返礼品の価格の割合のことであり、寄付金額の3割までと決まっています。
しかしながら、返礼品によっては自治体が定価よりも安く仕入れることで実際の還元率を3割以上で提供できるという場合があります。
各種ふるさと納税サイトでは還元率ランキングでお得な商品の紹介もおこなっていますので、よりお得なものを選びたいという方にはぜひおすすめです。
2,必需品を選ぶ
食料品や日用品など、生活するうえで必ず必要となる返礼品は常に高い人気となっています。
トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの日用品は、保存がきき、たくさんあっても困らない生活必需品として重宝します。
また、食品に関しては地域の特産品を選んだり、いつもよりワンランク上の上質な商品を試したりと、選ぶ楽しさが広がります。
3,新鮮な旬のものを選ぶ
果物や野菜などに多いのが、あらかじめ配送時期が決められており、旬の時期に新鮮な返礼品が送られてくるというものです。その時にしか味わえない極上のおいしさを満喫することができます。
返礼品到着までに時間を要することもありますが、待っている時間もまた楽しみが高まる幸せな時間となるでしょう。
まとめ
以上、副業がある場合のふるさと納税の確定申告のやり方や気を付けるべきポイントについてご説明してきましたがいかがだったでしょうか?
副業による20万円以上の雑所得がある場合には、ワンストップ特例制度ではなく確定申告の必要があること、20万円以下の場合には確定申告をするか否かを選択する必要があることなどををしっかり把握しておきましょう。
確定申告の流れや必要事項についての情報を理解することで、ふるさと納税という制度をスムーズに利用していくことに繋がります。