ふるさと納税の新ルール?!2019年の改定ポイントについて解説

最近、たくさんの方々がふるさと納税を利用していますが、制度の「ルール」と聞いたとき、詳しくご存知ない方が多いのではないでしょうか。

ふるさと納税とは、自身の生まれ育った土地や応援しようとする地域に対して寄附を行える制度となります。2,000円を差し引いた金額分を申請することにより、住民税の控除や所得税の還付として受けられるため最終的に自分に返ってくる仕組みです。寄附する地域を選べるとともに、その地域から寄附のお礼の品が貰えるというメリットがあり、とても魅力的な制度です。


しかし、この制度に問題が生じたことにより2019年6月1日に、この制度におけるルールが大幅に変更となりました。ルールが変更された理由としてさまざまなことがあげられ、一部曖昧になっていたルールから一律条件が発せられ、はっきりとしたルールに改正されました。今まで以上に寄附先地域ならではの魅力が、寄附する側へ伝わるものに変化しています。今回は、ふるさと納税についてのルールについて変更事由をふまえながらご紹介します。

1.改定された新ルールについて

制度の細かな内容が変更され、2019年6月1日から活用する自治体に対し条件が付け加えられ、法令の基本形式で以下のような内容で明確に出されました。


・総務大臣は基準に適合する自治体を対象として指定する。

・寄附先の地域が寄附する側にお礼として送る品は寄附された金額の3割以下とし、その土地の農産物などの一次産品、または主原料などをその地域で作っている地場産品であること。

・寄附先の地域で生産することが難しい場合は、近隣の地域が生産している産物でもよい。


この制度を導入したい地域は、総務大臣がその地域を法令の基本形式に適合していると認めることで導入できます。この制度の法令に適合していない対象外地域は、総務大臣が指定を取り消しすることが可能となります。以前までは、寄附先の地域が寄附した側へ送る品の割合は、明確になっておらず、地域によって価値の幅が大きくありました。


新ルールでは「3割以下」と変更されているため、全ての寄附先である地域が足並みを揃えたかたちとなり、寄附した側に送る品の価値が一定となりました。寄付先の地域が寄附した側へ送るお礼の品は、加工されたものではなく、自然に採取されたものであり、寄附先の地域で産み出された製品と決められています。一部地域の状況によっては、地域を代表する特産物がない、または作れないなどの状況であることから、近隣である地域の特産品を活用し、お礼をすることが認められました。

2.ルールが変更された原因と実態について

ふるさと納税の制度ができたことで、この制度を活用する寄附先の地域は、消費者である寄附する側から資金を受け取ることができ税収入が確保できるとともに、寄附した側はそのお礼として、その地域ならではの特産物が受け取れます。

寄附された側も寄附した側も、両者にメリットのある制度という内容であるため、多くの方に人気があります。


寄附する側がこの制度に参加する理由のひとつとして、住民税や所得税の控除が受けられるほか、この制度を利用することで受け取れる寄附先地域の特産物や名産品の魅力と地域限定品がたくさん詰まった内容に惹かれることが大きいです。一部の寄附先地域では、少しでも多くの寄附金を集めたいという理由で、寄付額の半分に近い金額相当の旅行券などの金券やブランド牛肉、地場産業でないものやその地域に全く結びつかない品、高価な金額の品を寄附してくれたお礼の品として、寄附先地域のPR広告に使用するようになりました。こうして、各寄附先地域が争うように起きたことから返礼品競争と言われ、多額の寄附を受けようとする地域が増えていったのです。


こうした背景があるため寄附金を募りたい地域では、多くの寄附を集めるため「返礼品競争」が繰り広げられました。これは、ニュースでも話題となったため多くの人が知っている内容でしょう。この制度がはじまった当初、ある自治体では年間100億円を超える多くの寄附金額を集めました。寄附を募る地域としては、結果的に成功したといえる一方で、寄附する側である消費者は、この制度の利用により受けられる住民税・所得税の控除が適用されるため、本来納める先である地域の税収入が数十億円も減少してしまうという事態に見舞われた地域が出てしまいました。


このように税収入の偏り問題が生じたことで、本来の趣旨としている地域創生、地域活性化のためのふるさと納税とは内容が逸れてしまっていると問題視する声が各所であがりました。そこで国の機関である総務省は、2017年と2018年の2度にわたり各寄附先地域に対して、寄附する側にお礼の品として送付する内容を「地元産業に関わるもの」「寄付額の3割相当の物とし超えないこと」という通達を出しました。2度の通達にもかかわらず、通達内容に従わない寄附先地域が多くあり、改善されなかったことから、国は問題とする寄附先地域を公表しています。


通達から半年経過しても、3割を超える額の返礼品を送る寄附先地域は1割程度存在しており、200近くの寄附先地域が自身の土地とは結びつかない返礼品等を送付していることが見受けられています。この実態を受けて、2019年6月からふるさと納税における新ルールが適用され、この通達を守らず多額の寄附金を集めていたとして、4市町が指定を外されることとなり対象外地域となりました。ほかの43市町村は、税の優遇を受けることができる適用を6月から9月までの期間と限定され、仮承認されました。この地域に対しては、9月までとされていた仮承認の状態から正式に適合と認定され、ふるさと納税の参加地域として総務省から承認を受けています。


対象外となった4市町と43市町村以外の地域は新ルールに基づき参加を可能としました。また、東京都は参加を辞退しました。このように制度の導入をしたい地域に対して「寄附金争奪戦」「返礼品競争」が起きないようにするため、国は3段階に分けて対応し、2019年6月の新ルールで改善されるよう努めています。

また、この制度の新ルールには、過剰なPR広告など宣伝活動についても定めています。

【制度に対する新ルールの規制事項】

・指定(許可)後も、過剰な広告活動は認めない。

・指定(許可)後も、逸脱があれば指定(許可)を撤回する場合がある。

・指定(許可)が撤回された場合は、以降2年間は指定(許可)を受けることができない。

まとめ

今回はふるさと納税制度のルールについて、変更となった理由をふまえながらご紹介しました。

新しく変わったルールのもと、多くの寄附先地域が参加しており、その地域ならではの魅力がしっかり伝わるよう仕組みの制定をしています。返礼品競争など競い合いが生まれる、地域のよって税収入に対して大きく偏りが生まれるといった問題点を改善すべく、国の働きかけ、ルールの改定がありました。


この制度を利用することで寄附する側の消費者に、寄附先の地域にしかない品が受け取れ、税金に対しての控除を受けられるメリットがあります。故郷を離れて遠くに居る方や地元をもっと活性化させたいと願う方にとって、寄附した先に貢献できることは最大の魅力ではないでしょうか。この制度の仕組みや目的、新しく変わったルールをしっかりと把握し、理解したうえでメリットを最大限に活かした寄附に参加しましょう。

みなさんの資金で、寄附先の地域が明るくなっていくすてきな制度の活用をご検討ください。

よくみられている返礼品返礼品一覧

ふるさと納税返礼品 総合人気ランキングもっとみる

ページ
上部へ