ふるさと納税のメリットとは?損する人もいる!仕組みを理解して行おう

ふるさと納税は仕組みを理解すれば、少ない自己負担で高額な返礼品をもらえる制度です。
しかし、仕組みを理解していないと損をしてしまう人もいます。
今回は、ふるさと納税の仕組みや注意点、損・得をする人を解説します。

■ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税とは本来自分が住んでいる地域に払うべき税金を、他の自治体に寄付できる制度です。
寄付先の自治体は自由ですが、主なコンセプトが「地方創生」であることから「ふるさと納税」という名称がつけられています。

ふるさと納税の仕組み①寄付金控除

ふるさと納税の寄付金額-2,000円分の金額が、所得税・住民税から控除される仕組みです。
つまり寄付金額-2,000円分、税金の前払いをしていることになります。
この2,000円は、自己負担額という扱いです。
寄付額には上限がありますが、上限まで寄付しても自己負担は2,000円です。

ふるさと納税の仕組み②返礼品

ふるさと納税をした人は、自治体から返礼品をもらえます。
返礼品は寄付額の3割以下相当と決められているため、自己負担額を超えるものばかりです。
その地域の特産物や地域のレジャー体験チケットなど、魅力的な返礼品が並んでいます。
税額控除を受けつつ少ない出費で返礼品がもらえるのが、ふるさと納税最大のメリットです。

■ふるさと納税で損する人がいるって本当?

ふるさと納税で損をする可能性があるのは、年収200万円未満の人です。
また年収200万円以上でも、これから紹介する例に該当する方は損をする可能性があります。

退職の予定が決まっている

退職所得からは寄付金控除ができません。
また、退職後次の就職まで間が空いてしまった場合は、年収が減るため翌年の所得税・住民税額が下がります。
寄付金控除は約2割(所得による)の所得税控除が寄付年度、残りの約8割の住民税控除が寄付の翌年に行われる仕組みです。
そのため寄付金控除上限が、下がってしまった翌年の住民税額を超過してしまう場合があります。
この場合、超過分は自己負担となり還付も受けられないので寄付金控除上限をしっかり計算した上で寄付しましょう。

扶養親族が多い

扶養親族が多い場合は扶養控除額が大きくなり、寄付金控除上限も低くなります。
扶養親族に該当するのは、同一生計で年収103万円以下かつ16歳以上の家族です。
扶養多ければ多いほど、所得税・住民税の額は小さくなります。
知らずに寄付をしていると、既に上限額を超えている場合があります。
扶養控除まで含めて計算し、寄付金控除上限を確認した上で寄付してください。

 

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■ふるさと納税で得する人はどんな人?

ふるさと納税で得をするのは、年収が200万円以上の人です。
年収が高いと、必然的に所得税や住民税も高くなります。
ふるさと納税は、所得税・住民税に対して寄付金控除を受けられる仕組みです。
つまり、所得税・住民税が高いほど寄付金控除の上限が上がります。
いくら寄付しても自己負担は2,000円のため、上限いっぱい寄付すればそれだけ得です。

■仕組みを理解しないとメリットを享受できないことも

所得が高く、ふるさと納税で得する人に該当してもメリットを享受できないことがあります。
これから解説する、ふるさと納税の注意点を押さえておきましょう。

控除の大半は翌年に行われる

税額控除は、約2割(所得による)の所得税控除が寄付年度、残りの約8割の住民税控除が寄付の翌年に行われる仕組みです。
お金がない時に行って生活が苦しくなってしまう方がいます。
ふるさと納税は余裕のある範囲で行いましょう。

他の税額控除がある場合は自己負担になることも

ふるさと納税の寄付金控除上限を超えた分は全額自己負担となってしまいます。
寄付金控除上限には、所得以外の要素も影響します。
具体的には、扶養控除、医療費控除、iDeco、住宅ローン控除などです。
これらの控除額が大きいと、ふるさと納税の寄付金控除上限が下がります。
知らずにふるさと納税を行っていると上限を超えてしまう可能性があるので注意です。

ふるさと納税の名義を間違えないこと

控除を受けられるのは、ふるさと納税の寄付者のみです。
つまり妻が行ったふるさと納税では、夫の税金は控除されません。
特に妻が扶養内パートや専業主婦の夫婦の場合は注意しましょう。
この場合は妻本人に支払う税金がないので、税額控除は一切受けられません。
必ず納税者本人の名義でふるさと納税を行ってください。

■返礼品を選ぶ前に控除上限を確認!

返礼品を選ぶ前に寄付金控除上限額を確認しておきましょう。
総務省のポータルサイトで給与収入ごとの上限額の目安を掲載しています。
まずはこちらを参考にするのがおすすめです。
また、正確な上限額は以下の計算式で求められます。
寄付金控除上限額(限度額)=(住民税所得割額×20%)÷(100%–10%–(所得税率×復興所得税率1.021))+2,000円
他にも年収・家族構成別など、細かい条件を指定できるシミュレータを公開しているサイトもあります。
自分での計算が難しい場合はシミュレータを使ってみましょう。

■ワンストップ特例制度って何?

ワンストップ特例制度は、ふるさと納税で本来必要な確定申告が扶養になる制度です。
ただし、制度の適用には以下の3つの条件があるので押さえておきましょう。
給与所得が2,000万円以下
副収入がない
寄付先が5自治体以内
制度の適用には申請が必要です。
総務省のホームページなどから「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」の様式をダウンロードできます。
こちらの用紙に記入し、必要書類を添付して各自治体の窓口に送ります。
申請にはマイナンバーが必須のため、以下の3パターンのいずれかの書類のコピーが必要です。
マイナンバーカードの表裏両面
マイナンバー通知カード+免許証の表裏両面
マイナンバー記載の住民票写し+免許証の表裏両面
マイナンバーカードでの申請が最も簡単なため、ない方は作成をおすすめします。

ワンストップ特例制度についてもっと知りたい方はこちら

 

■返礼品選びに悩んだら

返礼品選びに悩んだら、以下の二つの方法から選ぶのがポイントです。

人気の返礼品から選ぶ

各種ふるさと納税サイトで、人気の返礼品ランキングを紹介しています。
単純に美味しくて人気の特産物や、普通に購入すると価格が高いものが上位です。
「得をする」という面から考えるなら、人気の返礼品から選びましょう。

 

どんな返礼品があるか知りたい方はこちら

自分の出身地を選ぶ

ふるさと納税のコンセプトは地方創生です。
都市部に人口が集中し、必然的に集中する税金を地方に分散させることを目的に始まりました。
コンセプトに則るなら、自分の出身地を選ぶのが正解です。
迷ったら地元を助ける気持ちで、自分の出身地に寄付してあげてくださいね。

 

ふるさと納税で人気の自治体をチェックしたい方はこちら

■ふるさと納税で寄付した後に転職したらどうなるの?

退職所得は寄付金控除の対象ではないので注意しましょう。
しかし、ふるさと納税で寄付した後に退職し、間を空けずに転職した場合は大きな影響はありません。
転職までに間が空いてしまった場合は年収が減り、住民税額も減ります。
この住民税額が寄付金控除分を下回った場合、差分は全額自己負担です。
実質的に損をしてしまうので、間の空いた転職予定がある場合は寄付金控除上限を正確に計算しておきましょう。

 

引っ越しを検討している方はこちらをチェック

■ふるさと納税は仕組みをしっかり理解してから行う

ふるさと納税は仕組みを理解して行えば、2,000円の自己負担で返礼品がもらえます。
逆に仕組みをしっかり理解していないと、自己負担の金額だけが積み上がってしまうでしょう。
しっかり寄付金控除上限をシミュレートして、ふるさと納税を行うようにしてください。

メタディスクリプション
ふるさと納税のメリットについて詳しく解説します。ふるさと納税の寄付額には上限があり、この仕組みを理解していないと損をする場合があります。上限額を事前に確認し、損をしないふるさと納税を行いましょう。

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